「リスク軽減のためのアプローチ」

北海道帯広  清水赤十字病院  中川英之 

 

リスク軽減のためのアプローチと言いながら、リスクマネージメント的なことを発表するわけではない。

ただ以下の言葉に集約されるような考え方が大切ではないかと思われる。

1 SAME THINGS

2 SOPHISTICATED

3 SENSITIVITY

4 SIMPLE

5 SATISFACTION

6 RESPONSIBILITY

前病院のときにCT予約に関して無駄な部分や、システム的に患者さんの都合を聞かない形になっていた

事、また予約待ち時間の短縮のために出来ることはないかと考える事になった。

 それまで行われていたやり方そのものを変えることを考え、必要と思われることを積み上げていく中で、予約そのものを見直す必要が出てきたのであるが、当時予約は技師が行っていた。それを放射線科受付で事

務員が出来るようにするため、自動予約を可能にすれば良いのではないかと思われた。

 話は変わるが当時私はバイクで日本中を旅していた、そこで感じていた事は、日本の道路は走りづらく、

又解りづらい事であった。勢い余ってレンタカーで旅したイギリスや、カナダなどを走ったことでより鮮明

にそのことを感じたのである。特に違う人種が旅をすることを前提に考えられたヨーロッパの交通システム

は衝撃であった。この経験を活かして取り組めば自動予約の問題を解決できると考えた。

数字を使って目的地までを指し示すことが出来るヨーロッパの交通システムをそのままCTの予約に取り

入れ自動予約を考えた。その結果、後に病院全体のオーダリングシステムの基礎をなすやり方に結びついた

のである。またその際導入されたPACS等の表示画面構成などにもこのときの経験が活かされた。

 その後、撮影室のデザインや自分たちの装置のあり方を考え直すことで、リスク軽減に結びつくのでは

と考え、メーカーへの助言を行ったのである。その結果、多くの機種がそのデザインを真似るようになった。

当たり前であることを何故そうなるのか、また自分たちのやり方に問題はないのかと検証し、別の視線か

ら考え、それらを感じることを出来る事が大切である。またそれらを解いていくための答えはいろいろな所

にあると言う事、放射線技師だから、医療界等といわず多くの世界にある答えや考え方をいかに簡単に捕らえ、活かしてゆく事が大事なのではないだろうか、つまり答えはどこにでもあると言う事だと思う。

最後に、今回こういう機会を与えていただいた矢野先生はじめ幹事の皆さん、ご出席いただいた方、皆さんに感謝いたします。