CTにおける肺がん検診の現状

                                 松山成人病センター  新山 博

はじめに

近年マンモグラフィーや胃透視、超音波など、「認定技師制度」が広まってきております。検診における胸部CT検査に

おいても例外ではなく20094月に特定非営利活動法人 CT検診認定制度合同検討会が設置されました。

自分が受講した講習の申し込みから認定試験、受講後の職場での業務内容の検討を行ったので報告いたします。

 

肺がんCT検診認定講習会

 

受講申し込みから受講まで

 

1.申し込みは、肺がん検診認定機構ホームページ上(http://www.ct-kensin-nintei.jp/index.html)

から申し込みます。(右下図参照)

 

2.受講者多数の場合、経験年数・業務内容等を参考にして受講の可否が決定します。

  (経験年数は10年以上、検診業務に従事していることが望ましいそうです。)

 

3.受講の可否は、メールにて行われます。

肺がん検診認定機構ホームページ

 
 


 

受講料等

 

1.  受講料   17000円(昼食代2日分含む)

 

2.  テキスト代 10000

 

※認定料  5000円(合格者のみ)

 

 

 

 講習

 

2日間行われ、1日目は午前9時から午後6時ころまで講習があります。2日目は1時間の講習後、

異常所見の検出試験と(昼食をはさんで)筆記試験が行われます。

 

  試験

 
検出試験

 

100分・50症例に対し病変を指摘し、その良悪を判断します。

スライス厚10mmの画像で出題されました。

1症例あたりの画像数は30枚程度でした。

一般的に使われているノートパソコン(15インチ)を使いました。

室内の明るさは、通常の講義が行われる程度でした。

 

《対策》

 通常業務でスライス厚10mm以下の画像を用いて業務をしている場合、講習会テキスト付属のDVD等を用い

 スライス厚10mmの画像に慣れておきましょう。

 

講習会テキスト付属のDVD中の症例とよく似た症例が出題されていたので、何回か練習しておく方が

よいと思います。

 

 

 

テキスト付属DVDの画面です。

 

日本語取説付です。ご安心を。(*^_^*)

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


筆記試験

 

  60分・20問(1問につき5題)のマークシート方式

  5者択2?(5つの選択肢に対し2つの正解を選択)

 

  例えば…

 

(例1

 
                       

 

 

左のスライド(例1)の問題では表の中で問われた内容は1つです。

                         5つある選択肢のうち1つの正誤が分かりますが、他の4

                         の選択肢はこの表とは関係ない問いであるため、この表を覚えて

いても残りの4つの問題文を各々判断することになります・・(^^

                       

 

 

(例2

 
          

 

 

 

 

右のスライド(例2)にあるような一般常識的な問題も出題されます。

 

 

 

 

 

《対策》

 

    講義内容・講習テキスト・日本CT検診学会ホームページ内のガイドライン(http://www.jscts.org/)から主に出題されるようです。

 

    野口分類、病期分類、TMN分類などはしっかり覚えておきましょう。

 

    講義の中で、口頭で言っていたことも出題されています。

 

    ※筆記試験の問題は持ち出し不可でした。

 

 

 講習会受講後の業務

   講習受講後、胸部CT検診について施設内で話し合ったことは、主に@検診用撮影法、A受診者の2点でした。

 

  @検診用撮影法

被爆の低減

例えば・・目標とするGGOのサイズ(5mm)が拾える撮影条件を設定する。

     スカウトを撮影しない。

     追加撮影(thin slice撮影)をしない。  ・・・など。

 

検診目的に特化した撮影を行います。

  A受診者

    私たち術者が検診業務を行うときに目標とすることは何でしょうか。そのひとつは、より精度の高い検査を行うこと(病気を見つけること)であると考えます。

    より精度の高い検査を行うことは、受診者の理解・協力なしにはありえません。受信者にとって理解・協力しやすい環境にするのも私たち術者の仕事(ウデの見せ所)と考えます。そうするために・・と考えると我々ができる工夫や準備をどうすればよいのかが見えてくるような気がします。

 

まとめ

  今回講習を受講したことで、肺がんCT検診や病変の検出についての知識の基礎を学ぶことが出来ました。それと同時に

  検査は受診者の理解と協力があってはじめて質の良い検査ができるということに、あらためて気づかされました。

 

  これからもその点をふまえ、より良い検査ができるよう工夫していきたいと思います。