当院における職員胃検診ルーチン撮影法
医療法人弘仁会共立病院 美曹裕和
当院で行っている胃検診のルーチン撮影についてもう一度見直しよりよい検査が行われているのか検討してみた。
今回ストマップを用い、撮影した写真の描写区域や撮影法の欠点の評価などをおこなってみました。
胃のX線検査には粘膜法、充盈法、二重造影法、圧迫法の4つがありこの撮影法の長所、短所を組み合わせて胃全体を描写し出来るだけ多くの情報が提供できるようにします。
表に撮影法による各病変の描出能についてまとめてみました。
胃X線検査は二重造影が中心となり、その他の撮影法を組み合わせて検査を進めることが重用です。
UGI撮影順序について
日本消化器集団検診学会(間接撮影)
当院での撮影法(8枚)
日本消化器集団検診学会は間接撮影では、1の前壁撮影A、Bどちらかに7,8のいずれかを加えた7枚が最小限としています。
当院ではこの撮影法で行っており一人8枚とし異常があれば追加撮影を行うようにしています。
上記のルーチン撮影をストマップに重ねてみたところ、前壁がレリーフのみとなるため腹臥位前壁二重造影、再立位第一斜位、背臥位二重造影第二斜位振り分け、前壁二重造影(穹窿部)を加えることで胃全体がフィルムに収めることが出来ると思います。
UGI撮影順序変更点
当院での撮影法(8→9枚)
•前壁レリーフ像
•食道
•立位充盈像
•腹臥位正面充盈像
•背臥位正面二重造影
•二重造影(第一、二斜位)
•スポット撮影(@左側臥位、A腹臥位前壁二重造影、C前壁二重造影、 B振り分け)
•スポット撮影 穹窿部(@シャツキー 、A立位正面、B第一斜位、C第二斜位
•圧迫撮影
まとめ
健診では胃全ての領域の異常の有無の確認が必要です。それには撮影した部位はどこが見えているか把握しておかなければなりません。また異常があれば追加の撮影を行いそれが異常かそうでないのかの確認が出来る写真をとる必要があります。決まった撮影にとらわれずその人、その胃に合った撮影をして出来るだけ多くの情報が提供できるよう努力していきたいと思います。