「胸部正常解剖」                                  立花外科病院 矢野雅昭 

 

「講義目的」・・・・・

CT画像から描出されている肺野および縦隔構造物を同定するとともに

区域気管支を同定し肺区域を同定する

 

*物凄く簡単ですよ!*

 

気管および区域気管支をシェーマにて示す。

 

《右肺上葉区域気管支 B1 B2 B3の同定》

右上葉区域は、まず気管分岐部を同定

側方にB2bが、後上方にB2aが、また前方にB3のB3aとB3bの亜区域枝が同定される。また、上方へ向かうB1が輪状に、それぞれ認められる。

《右肺中葉区域気管支 B4 B5の同定》

と《右肺下葉区域気管支 B6の同定》

右肺野上葉の下に無血管野(RMLW:right mid-lung window)を見つけ、その下に中葉がある。また右中葉支口を見つけたら、側方にB4aが、前方にB5aが、後方にB6bcが存在する。葉間胸膜(minor&major fissure)を同定すること。注:葉間周囲の肺は末梢であり、太い血管に乏しくCT上無血管野領域として描出される。特に右中肺野のminor fissure周辺はRMLWと呼ばれるほど血管にとぼしくい大きな領域として描出される。

 

《右肺下葉区域気管支 B7 B8 B9 B10の同定》

中葉後方に右下肺静脈を見つける。根部に下方へ続くB7が輪状に同定。

下肺静脈に接する形で側方へB8aが、後方へB9a,B10aがそれぞれ同定される。葉間胸膜で中葉と下葉を分割すること。

 

右肺野をこのように@気管分岐部A中葉支口B下肺静脈をそれぞれ同定することで、簡単に区域気管支を同定することができる。

なお、左肺野も右肺野同様に同定していくこと。

葉間胸膜(major fissure)にて、上下葉を分割すること。

 

《肺動静脈》

DSA:PA&PV

 肺紋理を成す肺動脈&肺静脈の走行を理解せよ!

肺動脈は気管支に伴走する。

肺静脈は一般的に肺動脈より太く、肺動脈との間を直線的に走行する。

注:解剖学的位置関係において、正常変異も多く、CT上描出される全ての血管を正確に同定することは困難である。

 

縦隔リンパ節LNを同定せよ!

 

HOME