「IVR-CTの実際」
大垣市民病院 市川秀男
概要;近年、血管造影とCTが同一の検査室で施行可能なIVR-CT/Angioシステムが開発された。平成9年4月、当院に東芝製IVR−CT/AngioSystem(XACTIVE)が導入され、その有用性は高い。本システムはCT装置とDSA装置を共通寝台に持つ複合型X線撮影装置で診断と治療が同時に施行できる特徴がある。今回はその使用経験や有用性を述べた。
装置
X線CT装置はXvision Real,
DSA装置CアームはCAS−8000V, X線管球はDRX-T735,180万HU(0.3/0.6/1.0mm)
I.I.保持装置RTP1630IH-GIE(16”,12“、9”、7“)、デジタルフルオログラフイー装置DFP−2000A/AS等である。
主な適応
A. 頭部;脳動脈瘤の塞栓術
B. 胸部;CT誘導下肺・縦隔部生検及び処置、CT誘導下気管支鏡生検
C. 腹部;IVR−CT(CTA,CTAP)、DSA、TAE,カテ先CO2挿入US
血流改変、リザーバー留置、Ballon OcculusionCTA,
ダイナミックCTA(Single Level Dynamic CTA),
緊急の腫瘤や血管破裂の塞栓術等である。
当院でのIVR−CT/Angio検査並びに治療方法として、1)セルデインガー法(検査手順、検査中のチック及び処置)2)腫瘤塞栓方法(手順、検査後のチック)3)IA―DSA(手技の手順)4)経皮カテーテル肝動脈塞栓療法(検査手技)5)化学療法物質と塞栓物質6)ダイナミックCT6)Single Lever Dynamic CTA7)肝静脈塞栓下CTA等について例えば、検査前のチック、処置、局所消毒、ガイドワイヤー、シースの挿入、CT−Angio,DSA検査、塞栓(スポンゼル、金属コイル等)、化学療法(薬剤投与)、検査手順、X線撮影条件(スキャン条件、再構成ピッチ、再構成関数等)やDSA撮影法(画像収集)、造影剤の注入条件(注入速度、量、タイミング)等の説明を行なった。
肝細胞癌の画像評価、Single Level Dynamic CTAからみた腫瘤血行動態、ドップラ波形による血流動態と悪性度、血流動態からみたCTHA及びCTAPとの関係、リザーバー留置術法について説明し、さらに早期肝細胞癌、進行肝細胞癌等の実症例提示をした。
一般的医学知識として肝臓の構造と働き、病態、肝炎の自然経過、正常血管(腹部)像、
分岐異常、肝内微細血管の模式図(PBP),腫瘤の血行動態評価、肝細胞癌の画像評価、
肝内偽陽性所見部位、血行動態から見たCTHA及びCTAPとの関係、画像評価、画像撮影(ウインドウレベル、ウインドウ幅の設定)等を説明した。
最後に以前から提言しているRTレポーティングについて行い、これは日常業務の反省とチーム医療貢献に有益であることを述べた。