超音波診断　　肝 胆 膵　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＶＯＬ.２　　��橋 保幸

　肝胆膵なる用語が用いられるようになったのは、今から約３０年ほど前のことである。

それ以前は、これらの臓器を表現できるモダリティがなかった。

現在、ＣＴとＵＳは予想をしのぐ進歩をなし、診断を確定できるまでに至っている。

しかし、医療制度の整備の遅れにより、これらモダリティの持つ能力を生かしきれていない。

つまり、ＣＴとＵＳは二人三脚のモダリティとして進化しているにもかかわらず、それぞれ

独立して運用されているケ−スが今なお存在している。

現在、ＣＴとＵＳは必須のモダリティとなっており、共にその性能は著しい進歩を遂げているが、ＣＴの存在無くして今日のＵＳの存在も無かったと考える。

その理由は、ＵＳは、客観的な解剖学を持っていないからである。　

　　

ＵＳは、正確な位置情報に欠けている！

従って、この２つが二人三脚として運用されることで解剖と読影を完成させているといえる。

かつて、ＵＳは主観的で再現性に乏しいとされていたが、現在これらは克服されている。

ＣＴの読影には正常の３次元解剖学を必要とし、ＵＳの読影にはＣＴ解剖学を必要とする。

従って、最適とされる術者は誰なのかは自然に決定されるであろう。

又、その業務に携わらなくとも、これらの知識と技量を持つことは、決して無駄ではない。

最後に、ＣＴ、ＵＳの出現によって肝胆膵における小さな腫瘤の発見率が向上したことは、誰しも認める処である。

従って、ＣＴ，ＵＳの出現をＸ線の発見に次ぐ第２のルネッサンスとするならば、次に迎えるべきルネッサンスは、新しいモダリティではなく、将来に通じる我々のモチベ−ション（意欲）なのかも知れない。　　　　　　　以上　　

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